2010年11月07日

続・MEGA MEGA MEGA

 2001年electraglide、今でもあの光景を鮮明に覚えている。Fatboy SlimのDJ終盤、NormanがChemical Brothersの“The Private Psychedelic Reel”をプレイすると、その姿をプロモ来日の合間にステージ袖で見守っていたTomとEdの二人が、Normanと肩を組みながら照れくさそうにサプライズ登場した。その横で、当時Underworldを脱退して間もなかったDarren Emersonが次の出番の為スタンバイ中、Normanは無邪気な笑顔でDarrenの顔にペンで髭を書き、直後ラスト一曲にプレイしたのが“Born Slippy”と“Right Here Right Now”の自作マッシュアップだった。バレアリックの精神及び文化が繋いだ90年代UKのパーティー音楽史を目の前で物語られているような気持ちになり、とてつもなく感動したものだ。

 同年、SoccerBoyはNYで9.11同時多発テロを体験し、後にElectroclashの洗礼を受けることになる。KAN TAKAHIKOはパルクール気味に宇田川町を駆け抜けながら、TRESOR、SOMA、INTEC等の12インチを買い漁っていた時期だろうか。それぞれ顔も全く知らず、別々の道のりを歩んでいた三人だが、所々共通の接点も存在するわけである。それにしても何故、同じ夜、同じ場所、それも長野で、しかも僕らよりも世代の若いオーガナイザーとレジデントDJによって構成されるパーティーに呼ばれたのだろうか。奇妙な話である。

 10.29、世代もルーツも違う人々で埋まったフロアで、実はまだTime For LivinでDJ人生一度しかプレイしたことの無い、Captain Funkの“Home Sweet Home”をプレイすると、昨年初共演するまでBig Beatを舐めていたらしいSoccerBoyが、そのジャケットを手に取りフロアに向かって掲げ出した。それにつられ僕も「Big Beat Royal」と綴られた何とも分かりやすい中古コンピレコードのジャケを一緒に掲げた。(ただ、そのレコードを箱から探し出すのに少々手間を食った。)プレイが終わった後、何故だか2001年の出来事を思い出してしまった。2001年幕張メッセで泣きべそを浮かべていた僕のDJプレイ中に、2001年のNYを生きのびたSoccerBoyが隣で一緒に笑っている。少なくともあの瞬間、共演者もフロアも全員が笑っていたような気がする。あの後、彼はTwitterでこう呟いていた。恐らく褒められているのだと思う。だが、僕が一番嬉しかったのは「'98」という数字だ。この年は、それまでインディーレーベルだったBig Beatの名門であるSkintが、Sony Music傘下に入りFatboy Slimの2ndアルバム(あの有名なデブジャケ)が大々的に世に送り出され、Big Beatが日本で一気にメジャー化した年である。オオエ・タツヤがCaptain FunkとしてBig Beatに傾倒したのもこの年だ。

 世間一般的には一時的なお祭り騒ぎとしてフェードアウトして行った(されてしまった)Big Beatも、元を正せばオープンマイドでカテゴライズせずに音楽を楽しむバレアリックの精神を、Heavenly Socialの新人DJとしてそれを次世代の何かに変換したChemical Brothersから受け継いだNorman Cookからのアンサーであり、単なる通過点だったわけである。今更こういうのもなんだが、僕自身にとって最も感銘を受けたのは一音楽ジャンルとしてのBig Beatではなく、98年頃のFatboy Slimによるバレアリックの精神をよりごった煮のパーティー感で、底抜けにハッピー且つアッパーに、そしてアホに昇華させたDJスタイルとしてのBig Beatなのだ。Rockも、Hip Hopも、Funkも、Soulも、Brotherも、全て「ダンスミュージック」として解釈し、それらが「Big Beat」に変換され一つのDJセットに集約されていた。余談だが、98年にリリースされたFatboy SlimのMIXCD“On The Floor At The Boutique”の起源とも受け取ることが出来る、Chemical BrothersによるMIXCD“Live At The Social Volume 1”(要はHeavenly SocialのレギュラーDJだった頃の彼らの現場DJの魅力がギッシリとパッケージングされたMIXCD)も大きく影響を受けた一枚。因みにHARDの構成員NGTK氏も、これを某インタビュー内で音楽人生の重要盤としてピックアップしていたはず。

 何だか話が脱線してきたというか全くレポートになっていない気がするが、近年どうも夕日に似合うロマンチックな音楽だとか、踊れるチルアウトミュージックみたいな認識の人が多いような気がするのもあるし(※それを批判しているわけではない)、僕にとっても曖昧というか解釈もその時代によって変化していく言葉だと思うが故に、あまり表立って使う機会の無かった「バレアリック」という言葉をここで敢えて用いたのは、DJとしての僕にとって一番のバレアリック精神を感じ取ったのが、その98年頃のNorman Cook、いやFatboy Slim発のBig Beatだった、ということを強調したかったからだ。その時に得たモノは、今現在のDJスタイルにも活かしているつもりだし、勿論精神的な意味も含めたそれらによって共鳴出来たからこそ、SoccerBoyやKAN君達と一緒に長野でDJできたのではないのかと思っている。そのイビサ発祥の精神及び文化が時代と共に進化と拡散を繰り返し、直接的にも間接的にも影響を受けた各々の解釈と自由な発想によって変換され、また今夜も何処かのダンスフロアで、顔も知らない誰かの手によって、顔も知らない誰かの胸に響き、勝手に継承されているのである。そこに凄くロマンを感じるし、先人達へのリスペクトを捧げる。

 長野で全くゼロの状況から「Electro」を根付かせ、それ以降も次のステップへ進むべく、今も尚変わらぬペースで活動しているSlump DJ'sをはじめ、PTPといった先輩諸氏の背中を追いかけてきたMAC君は後に99% MEGA DANCEを旗揚げし、HAMAAR君はそれをサポートしながらも、また違う切り口で東京の今を伝えようとしている。MICK SOUTH君はそんな彼等を手本に日々自分のスタイルを模索しているようだ。世代交代ではなく、異なる世代同士によるバレアリックの精神に基づいた(それを自分で意識しているかどうかは別として)長野における音楽文化継承を垣間見ることが出来て何だか嬉しかったし、そこに自分も一緒に参加し、今現在最も敬愛する二人のDJと同じダンスフロアを共有できたことが非常に光栄だ。

99% MEGA DANCEは、これからも長野でMEGA DANCE MUSICを鳴らし続けて行く。はず。


写真レポ等はKAN君のBlogをご覧頂ければ幸い。


___


2010.10.29 “99% MEGA DANCE” - Play List

01 N.E.R.D - Hot-N-Fun (Crookers Remix)
02 Hot Chip - We Have Love (Hot City Remix)
03 M.I.A - XXXO (Riton Rerub)
04 L-Vis 1990 - Forever You ft. Shadz
05 Dubbel Dutch - Fool In You
06 Duncan Powell - Pushin' (Falty DL Remix)
07 Nicolette - No Goverment (Tocadisco's Lazy Days Remix)
08 Radioclit - Mature Macho Machine (Solid Groove & Sinden Remix)
09 X-Press 2 - Opulence
10 Hardfloor - Silver Submarine
11 Grant Nelson - El Ritmo
12 Thievery Corporation ft. David Byrne - The Heart's A Lonely Hunter (Thievery Corporation Remix)
13 Sabo & Zeb - Afro Azucar ft. Nappy G
14 Ursula 1000 - Bo Diddley
15 Fatboy Slim - Going Out Of My Head
16 Captain Funk - Home Sweet Home
17 The Beaches - 魚ごっこ
18 Patrick & Eugene - Can't Get You Out Of My Head
19 Denki Groove - Wicked Jumper (Thomas Schumacher's Doitsu De Ska Mix)
20 Freestylers - Ruffneck
21 Major Lazer - Bruk Out ft. T.O.K. & Ms. Thing (Buraka Som Sistema Remix)
22 Buckfunk 3000 - High Volume (Si Begg Vip Remix)
23 DJ Sega - Last Resort
24 Diplo & Lil Jon - U Don't Like Me (South Rakkas Crew Remix)
25 Powerman 5000 - Supernova Goes Pop
26 矢沢永吉 - 止まらないHa〜Ha


おい、TK450!北京でもやれんのか!!
posted by Tarantula at 11:21| Comment(0) | TrackBack(0) | Report | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年11月01日

SKY,LIQUID,MAC,

CIMG2843.JPG



CIMG2844.JPG


心を飛ばして高く昇れ!!
CIMG2845.JPG


やがて、ウルトラ・ヘヴンに。
CIMG2846.JPG


シャイニング・ウィザード。
CIMG2848.JPG


シャイニング・ハンサム。
CIMG2849.JPG


シャイニング・獣。
CIMG2847.JPG









取り敢えず、今夜はこれにて御機嫌よう。
posted by Tarantula at 01:21| Comment(0) | TrackBack(0) | Report | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。